「同意チェックは、そもそも付けないといけないのだろうか」「同意文に何と書けばいいのか分からない」「プライバシーポリシーを全文コピーして貼ればいいのだろうか」このようなお悩みをお持ちのご担当者様は多いのではないでしょうか。インターネットで調べると「同意は必須ではない」という説明がすぐに見つかります。ただし、それをそのまま受け取って、フォームに何も書かなくてよいわけではありません。同意を取るかどうかは任意でも、利用目的を伝えることは原則として求められているからです。本記事では、お問い合わせフォームの同意文に何を書き、どこに置けばよいのかを、個人情報保護委員会のガイドラインに沿って解説します。読み終えたときには、自社のプライバシーポリシーを見ながら同意文を組み立てられるようになります。なお本記事は、自社にプライバシーポリシーがある前提で進めます。未整備の場合は、先に用意してから読み進めてください。お問い合わせフォームの同意チェックは任意、利用目的の明示は原則必須同意チェックボックスの設置は任意です。一方で、利用目的を伝えることは原則として求められています。混同されやすいのですが、この2つはまったく別のものです。個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下、個人情報保護法)第21条第2項には、次のように定められています。あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない(個人情報保護法 第21条第2項)個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(以下、ガイドライン)は、この条文が適用される場面を具体的に示しています。「ユーザー入力画面への打ち込み等の電磁的記録により、直接本人から個人情報を取得する場合」(ガイドライン 3-3-4 直接書面等による取得)。Webフォームは、まさにこれに当たります。つまり、お問い合わせフォームでは次のようになります。同意チェックボックス:通常のお問い合わせフォームで、法律上同意が必要となる事情がなければ任意です利用目的の明示:原則として必要。「あらかじめ」明示します「原則として」と書いたのは、明示が不要になる例外が定められているためです(法第21条第4項)。ただし、お問い合わせフォームがその例外に当たるかの判断は簡単ではありません。例外に頼るより、利用目的を書いてしまうほうが確実です。書く手間は数行で済みます。なお本記事では、フォームに表示する個人情報の取り扱いの説明文を、便宜上「同意文」と呼びます。常に本人の同意が必要という意味ではありません。フォーム全体の作り方についてはお問い合わせフォーム作成完全ガイドで解説しています。あわせてご覧ください。同意が必要になる主なケース個人情報保護法では、一定の場合に原則として本人の同意が求められます。フォームを作るときに関係しやすいものを挙げます。場面根拠となる条文利用目的を超えて使う第18条第1項要配慮個人情報(病歴、信条など)を取得する第20条第2項個人データを第三者に提供する第27条第1項これがすべてではありません。 ガイドラインもこれらを「主な条文」として挙げています。自社の運用が当てはまるか判断できないときは、専門家に相談してください。裏を返すと、問い合わせに返信するためだけに氏名とメールアドレスを受け取り、社外に渡していないのであれば、上の3つには当てはまりません。なお、「他社に渡している=第三者提供」とは限りません。 業務の委託や共同利用など、法律上「第三者」に当たらない場合が定められているためです。逆に、当たらないつもりでも要件を満たしていなければ第三者提供になります。ここは自己判断が難しいところです。判断に迷えば専門家に確認してください。フォームにプライバシーポリシー全文を貼る必要はありません同意文を作るとき、多くの方がプライバシーポリシーを丸ごとコピーして貼り付けようとします。その必要はありません。理由は明確です。第21条第2項が明示を求めているのは「その利用目的」であって、方針の全文ではないためです。ガイドラインも、リンクで足りることを次のように認めています。利用目的の内容が示された画面に1回程度の操作でページ遷移するよう設定したリンクやボタンを含む(ガイドライン 3-3-4 直接書面等による取得)つまり、フォームに短く利用目的を書き、プライバシーポリシーへリンクを張れば、それで明示になります。全文を貼るデメリット全文の貼り付けには、見落としやすい落とし穴があります。ガイドラインが求めているのは、利用目的が「本人の目に留まる」ことです。ところが、スクロールできる枠に全文を入れると、最初の数行しか表示されません。自社のプライバシーポリシーで利用目的が中盤以降に書かれている場合、全文を貼るといちばん見せるべき部分が枠の外に隠れます。手厚くしたつもりが、かえって要件から遠ざかるという逆転が起きるのです。このほか、スマートフォンで縦幅を大きく占有する、スクロールという余計な操作が増える、といったデメリットもあります。全文を貼るメリット一方で、全文表示に意味がある場面もあります。第三者提供のように同意そのものが必要な場合です。ガイドラインは本人の同意を「示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示」と定義しています(ガイドライン 2-16 本人の同意)。このとき求められるのは、同意するかどうかを判断するために必要な情報を、分かりやすく示すことです。全文を表示しなければならない、という決まりではありません。 ただし、何に同意したのかを本人が確認できる状態にしておけば、同意を得た経緯を説明しやすくなります。なお、同じ箇所には「本人による同意する旨の確認欄へのチェック」が同意を得ている事例として挙げられています。チェックボックスで同意を取る形は、ガイドラインが想定している方法です。2つの方式を並べると、違いがはっきりします。同意文に盛り込みたい3つのポイント一般的なお問い合わせフォームなら、盛り込む要素は「収集する情報」「利用目的」「第三者への提供」です。ただし、3つが同じ重さではありません。書く項目位置づけ利用目的法律が明示を求めている項目(第21条第2項)。外せません収集する情報法律が記載を義務づけているわけではない。何を渡すのかが分かるように書く第三者への提供一律の記載義務があるわけではない。ただし実際に提供して同意を得る場合は、同意の判断に必要な情報を明確に示す必要がある外せないのは利用目的だけです。残る2つは、読み手が「自分の情報がどう扱われるか」を理解するために添えるものだと考えてください。なお、3つ目の書き方は同意チェックが要るかどうかの判断とつながっています。「提供しません」と書ける運用なら同意は不要です。社外にデータが出ている場合は、それが第三者提供に当たるかどうかの判断が必要になるため、迷えば専門家に確認してください。一般的なお問い合わせフォームの記載例会社名と利用目的を差し替えて使える形にすると、以下のようになります。※ 実際の運用によって記載内容は変わります。特に「第三者への提供」の欄は、そのまま使わないでください。 自社のデータの取り扱いを確認したうえで書き換えます。【個人情報の取り扱いについて】■ 収集する情報お名前、メールアドレス、電話番号、お問い合わせ内容■ 利用目的お問い合わせへの回答およびご案内のために利用します。■ 第三者への提供ご本人の同意なく第三者に提供することはありません。詳しくは「プライバシーポリシー」をご確認ください。利用目的の部分は、自社のプライバシーポリシーから引き写してください。 思いつきで書くと記載が食い違い、読み手を混乱させるうえ、社内でも管理できなくなります。ただし、プライバシーポリシーと揃えるだけでは足りません。実際の使い方とも一致している必要があります。「お問い合わせへの回答」と書きながら広告配信にも使っている、という状態では意味がありません。書いた内容と、実際の運用が同じかどうかを確かめてください。「第三者への提供」の欄も同じです。定型文をそのまま貼らないでください。実際にデータが渡っている先を洗い出したうえで書きます。実際のプライバシーポリシーから起こしてみる型だけでは分かりにくいので、実在するプライバシーポリシーを使って起こしてみます。ここでは当社(株式会社アーティス)のものを例にします。当社のプライバシーポリシーには、「個人情報の収集と利用目的について」の項に次の記載があります。当Webサイトでは、収集させていただいた個人情報は、お問合せ内容やリクルートに対するご回答、および弊社のサービスのご提供やご案内に利用しておりますhttps://www.asobou.co.jp/privacy-policy/ここから、お問い合わせフォーム用に「リクルート」を外して起こしたものが以下です。■ 収集する情報お名前、メールアドレス、お問い合わせ内容■ 利用目的お問い合わせ内容へのご回答、および当社のサービスのご提供・ご案内に利用します。■ 第三者への提供法令に基づく場合などを除き、ご本人の同意なく第三者に提供することはありません。詳しくは「プライバシーポリシー」をご確認ください。注目していただきたいのは、「リクルート」を落としている点です。プライバシーポリシーは会社全体の方針なので、採用応募も含めた利用目的が書かれています。しかしお問い合わせフォームで採用の話は関係ありません。同じ会社でも、フォームごとに同意文は変わります。 採用応募フォームなら、逆に「リクルートに対するご回答」を残すことになります。第三者への提供も同じです。「個人情報の共有について」に「法令に基づく当局からの協力要請か、人命・人権保護の緊急時を除き」という例外があるため、その条件を落とさずに反映しました。このように、自社の記載を確認して、そのフォームに関係する部分だけを抜き出すのが、同意文を作る手順です。なお、収集した個人情報を社内の誰が閲覧できるかも、あわせて決めておく必要があります。権限の設定はQuboのユーザー管理機能でチーム運用を安全に、通信経路の保護はフォームのSSL/TLS対応は必須で解説しています。同意文は送信ボタンの前に置く押さえるべきは、送信ボタンの前という位置と、利用目的が最初から見えていることの2つです。ガイドラインには、配置についてこう書かれています。本人が送信ボタン等をクリックする前等にその利用目的が本人の目に留まるようその配置に留意することが望ましい(ガイドライン 3-3-4 直接書面等による取得)ここから、押さえるべき点が2つ読み取れます。送信前に確認できる位置に置く:フォームの最下部、送信ボタンの直前など、利用目的が送信前に目に留まる配置にします目に留まる形にする:小さな灰色の文字で目立たないように置くのは、趣旨から外れます本記事の型で同意文を作り、実際にフォームへ配置した例が以下です。送信ボタン(「入力内容の確認画面へ」)の手前にあり、利用目的が最初から見えています。スクロールする枠を使うときの注意方針の文章をスクロールできる枠に入れる場合は、利用目的を先頭付近に置いてください。 枠内は最初の数行しか表示されないため、利用目的が下にあると読まれないまま送信されます。上の配置例でも、3つ目の「第三者への提供」は枠の下で切れています。それでも利用目的は最初から見えているため、「本人の目に留まるように」というガイドラインの趣旨には沿っています。枠に収まりきらないことより、利用目的が見えているかどうかが重要です。利用規約への同意と一緒にしない「利用規約とプライバシーポリシーに同意する」と1つのチェックボックスにまとめる形は避けてください。性質の異なる2つを1つの意思表示で処理することになり、どちらに同意したのかが曖昧になります。規約を改定するたびに個人情報の同意まで取り直す面倒もあります。チェックボックスは個人情報の取り扱い用に独立させるのが基本です。必要のない同意は求めない「送信をもって、個人情報の取り扱いに同意したものとみなします」という一文を見かけます。同意が不要なフォームなら、これは書く必要がありません。 そもそも取るべき同意がないのに「同意したものとみなす」と書くと、読み手に「このフォームは同意が必要なのだ」と誤解させます。同意が不要なら、利用目的を明示して、そのまま送信できるようにすれば足ります。では同意が必要な場面ではどうか。「みなします」という書き方は向きません。ガイドラインは「本人の同意を得る」ことを、承諾する旨の意思表示を事業者が認識することとしたうえで、「本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法」によらなければならないとしています(ガイドライン 2-16 本人の同意)。送信ボタンを押したことだけで同意が成立するとは、一概にいえないためです。同意が必要なら、何に対する同意なのかを示したうえで、本人がはっきり意思表示できる形にしてください。チェックボックスはその方法の一つです。どちらの方式にするかは、自社のプライバシーポリシーの構成を見て決める判断の基準は1つだけです。自社のプライバシーポリシーで「利用目的」が何番目に書かれているかを確認してください。以下の順に確認してください。自社のプライバシーポリシーを開く利用目的が上から何番目にあるかを見る上のほうにある場合:全文表示方式も選べます中盤以降にある場合:リンク方式にします当社のプライバシーポリシーは、1つ目の項目が「個人情報の収集と利用目的について」です。利用目的が先頭にあるため、全文を枠に入れても最初から見えます。一方、「基本方針 → 法令の遵守 → 安全管理措置 → 利用目的」という順序の企業もあります。この場合、全文をそのまま貼ると利用目的が隠れます。プライバシーポリシーを書き直す必要はありません。 構成を確認して、フォームでの置き方を選べば済みます。まとめお問い合わせフォームの同意については、同意チェックは任意、利用目的の明示は原則必須という一点を押さえれば判断できます。同意チェックボックス:通常は任意。法律上必要な場合にだけ置く(念のための設置はしない)利用目的の明示:原則として必要(個人情報保護法第21条第2項。例外は同第4項)外せない項目:利用目的。収集する情報と第三者への提供は、分かりやすさのために添えるプライバシーポリシー全文:貼る必要はない。リンクで足りる置き場所:送信前に利用目的が確認できる位置にする公開前に、以下を確認してください。利用目的が、スクロールしなくても見える位置にあるか利用目的が、プライバシーポリシーの記載とも実際の使い方とも一致しているかデータの渡し先を洗い出し、第三者提供に当たるかどうかを確認したかとはいえ、全文表示がすべて不要というわけではありません。第三者提供の同意を取る場合は、何に同意したのかを本人が確認できるよう、枠内に全文を表示する方式にも意味があります。自社の運用に合わせて選んでください。参考にした出典本記事の法令・ガイドラインの記述は、以下の一次資料に基づいています。2026年8月21日時点の内容です。本文中の引用には、該当する条文と節番号を添えています。個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)/e-Gov法令検索個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編) 個人情報保護委員会平成28年11月(令和8年6月一部改正)/個人情報保護委員会本記事は、フォームに何をどう書くかという実務の進め方を扱ったものです。法令の解釈を網羅するものではありません。法令やガイドラインは改正されます。実際の運用を決める際は、必ず最新版をご確認ください。 また、自社の運用が個々の規定に当てはまるかどうかの判断は、専門家にご相談ください。Quboなら同意ブロックをそのまま設置できますQubo(キューボ)は、専門知識やスキルを必要とせず、誰でも簡単にお問い合わせフォームやイベント・キャンペーンの申し込みフォームなど、ビジネス向けのフォームを作成・運用できるツールです。Quboには、同意文を表示するためのブロックが標準で用意されています。見出し・スクロールできる本文の枠・「必須」表示付きのチェックボックスが3段で並ぶ形です。配置はフォーム内で自由に動かせます。送信ボタンの前に配置することで、送信前に利用目的を確認できるようにできます。チェックを必須にすれば、同意しないまま送信されることもありません。なお、枠の中に入れる文面は自社で作成します。 定型のテンプレートは用意されていないため、本記事の型を参考にしてください。設定は管理画面の「規約同意」の項目から行います。表示タイプは「規約文+同意チェックボックス」と「同意チェックボックスのみ」から選べます。同意文を表示するなら前者を選び、規約文の欄に本記事の型で作った文面を入力します。無料トライアルでお試しくださいフォームの作成や見直しを検討されている企業様は、ぜひQuboの無料トライアルをご活用ください。使ってみてお気に召さなかった場合は、30日間で自動終了となり、課金や請求などをされることはありませんので、安心してお試しください。すべての機能を30日間利用可能(有料プランと同等)無料トライアル時のクレジットカード登録は不要自動課金なし(有料版へアップグレードしない限り費用は一切発生しません)お申し込み後、すぐにご利用いただけます!無料トライアルをはじめる